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  • Shiho

5分でわかる!事例から学ぶブランドのABC



ブランドとは何か?


多くの人が「ブランド」の重要性を認識していながらも、その定義は一致しないとても興味深いトピックである。ブランドの果たす重要な役割と、その奥深さを象徴していると言っても良いだろう。



#1 ブランドは、利益増大の基盤


ブランドは、売上の拡大とコストの削減をもたらす。具体的には、プレミアム価格で販売できる、口コミの増大や差別化が図れ、売上が伸びる、より良い人材が集まり生産性が向上する、人材定着率が増し採用コストが下がる、顧客獲得費用が下がるなど。そしてブランドの影響は社内に限らず、優良な株主や投資家など社外にも及び、長期的な成長を支える資産となる。



#2 ブランドとは、意味


ブランドとは、CHANELのような高級ファッションブランドや、カッコいいロゴのみを指すのではない。実はその華やかさの後ろに、深い「意味」がある。


例えば、MUJIは「地球と自分双方にとって幸せな生活の基本と普遍追求」、TESLAは、「早く楽しく、運転にも環境にも妥協のない電気自動車やクリーンエネルギー製品で、ゼロエミッション社会への移行を加速する」がブランドの存在意義である。


そこに人々が共感を持ち、自分の分身であるかのような愛着や憧れを持つようになり、ブランドに、時間や金を投資する。「意味」は、人々がブランドを選ぶ「理由」なのである。


またブランドの周りには同じ意味の共感する消費者・従業員・株主等(ステークホルダー)が、「コミュニティー」を形成し、ブランドがそこで育っていく。



#3 ブランドは、人々の頭と心に存在


ブランドとは、その実利的かつ感情的経験の蓄積から成る。例えば、PlayStationで遊ぶ度、究極の気晴らし(機能的連想)と達成感(感情的連想)が、時間通りに運行されるJR線に、利便性(機能的連想)と信頼(感情的連想)が、人々の心と頭に貯金されていく。


よって、論理的科学的な左脳アプローチと、感情に訴える創造的右脳アプローチとの双方でブランドメッセージを作り、製品・サービスと共に、ブランドの個性や世界観を伝えていくことが有効である。


ブランドは、様々な人たちの持つブランド連想と共に育つので、ブランドの作り手の思わぬ方向に向かうこともある。ブランドを生み出す側は、ブランドを統制するのではなく導く役割があるのだ。



#4 強いブランドの条件


強いブランドは、前述の「意味」の他に、カリスマ、偶像、物語、儀式、交流の場の5つを満たし、それらに一貫性があるものが多い。


Appleを例にとると、カリスマは言うまでも無くスティーブ・ジョブス、偶像はリンゴのロゴ、物語の一例は、直前まで秘密の新製品情報、儀式の一例はiPhoneを求める長蛇の列、交流の場は、アップルストア。これらが、イノベーションやかっこよさという一貫したブランドイメージを形作っている。


広告を打つだけでは、尖ったブランドが作れない理由がわかるかと思う。




#5 ブランディングは、ブランド、ビジネス、組織を一体化していく活動


モノやサービスの差別化が難しくなる昨今、ブランドへの期待は高まり、ブランドのもたらすインパクトを、ステークホルダーは益々注視している。ブランドの意味とビジネス、そして組織が一体化する活動(=ブランディング)が、尖った個性のあるブランドを生み、維持するために必要な過程なのである。


ブランディングとは、「見えない意味を見える化」して、より良い生活、社会、世界を実現していく過程であるとも言えよう。



#6 ブランディングは、組織、場所、人などに応用できる


ブランディングのアプローチや視点は、一般企業のみならず、政府や地方自治体、教育機関、観光地、セレブリティーなど、様々な対象に適用できる。


ブランドの意味、つまり存在意義や個性を炙り出し、それを起点に、内外のステークホルダー間に一体感を生みながら、ブランドの意味を現実化させていく。そこに人々が共感、愛着、憧れを持つようになると、ブランディングの対象物は、空気のように無くてはならない存在となっている。


TOYOTAを例にとると、「未来のモビリティー社会をリードする」と言うブランドの意味の元、ステークホルダーと一体となり、今までなかった交通・移動手段を提供し続けたならば、TOYOTAの目指す「人々を安全・安心に運び、心までも動かす。そして、世界中の生活を、社会を、豊かにしていく。」状態が実現され、TOYOTAブランドは、人々にとって無くてはならない存在となっていく。



私たちなりのブランド定義やその効果をお話しすることで、ブランディング手法によるビジネスや組織等の発展に貢献できる機会が、今後益々増えることを願いたいと思う。



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